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- 映画が好きでよく観ており、よりノンフィクションに近いものを観たいと思った
- 本物の法曹関係者や被告人、被害者を見てみたいという、怖いもの見たさのような気持ちも少しあった
- 最近、法というシステムや特に刑法にまつわる法的手続きに興味を持っていた
- Netflixで「 九条の大罪 」を観たことも影響している
- 放送大学の 司法・犯罪心理学 の授業を取っていることも影響している
- 人気の高い裁判には傍聴券が必要になるが、そうでない裁判はふらっと行ってそのまま傍聴できる
- 映画館と違ってチケットが不要という点が新鮮だった
- 傍聴券が必要な裁判は現地で抽選が行われ、その場で見れるかどうかが決まる
- 大阪地裁のサイトでは、いつどんな罪状の裁判が行われるかを部分的に確認できる
- 傍聴が集中すると予想される裁判については、傍聴券配布の案内もサイトに掲載される
- 傍聴案内: https://www.courts.go.jp/osaka/kengaku/index.html
- 裁判は基本的に平日の朝10時ごろから開廷するため、社会人の場合は基本的に有給休暇を使って傍聴することになる
- 入館時には空港の手荷物検査のようなセキュリティチェックがある
- 建物内には書店やコンビニもある
- 傍聴中はスマートフォンに触れることができず、撮影や録音も禁止されている
- 一方、ペンでメモを取ることは認められている
- 自分が見た裁判は傍聴券が不要なものだったが、傍聴席は割と埋まっていた
- 老若男女が傍聴に来ており、小さい子どもや中学生ぐらいの女子学生の姿もあった
- 傍聴人は男性より女性のほうが多い印象を受けた
- 裁判員が入廷する際には、全員が立ち上がって礼をする
- 被告人への黙秘権の説明や、証人への宣誓といった手続きがある
- 傍聴席から見て中央奥側に裁判官、左手に検察官、右手に弁護人が座り、中央手前に証言台がある
- 被告人は刑務官または警察官に付き添われて入廷し、法廷内で手錠を外される
- 被害者は姿を見せず、声だけで証言していた
- 拘置所に収容されている場合は刑務官が護送を担当する
- 留置場に収容されている場合は警察官が護送を担当するが、留置場は起訴後も代用監獄として使われることが多い
- そのため第一審第一回公判の段階でも留置場のままのケースは珍しくなく、公判の段階だけでは護送担当がどちらかを判別できない
- 被害者への尋問は証人尋問(主尋問)にあたり、証人として宣誓した被害者に対し、まず立証したい側(多くは検察官)が主尋問を行い、その後弁護側が反対尋問を行う
- 被害者が姿を見せず声だけで証言していたのは、被害者保護のための遮蔽措置やビデオリンク方式によるものと考えられる
- 見たのは第一審第一回公判で、初めての傍聴だったこともあり、事件の背景から追える回のほうが楽しめると考えて選んだ
- 事件は未成年数人と成年数人が共同で監禁/強盗傷人/窃盗を行ったというもので、傍聴した公判の被告人は成人だった
- 話を聞く限り、この被告人は主犯格ではなさそうだった
- 第一審第一回公判だったからか、傍聴人はやや多めだった気がする
- 日本の刑事事件は、罪の重さによって第一審となる裁判所が異なる
- 罰金刑までの軽微な犯罪は簡易裁判所が第一審となり、監禁や強盗傷人のようなそれ以外の多くの事件は地方裁判所が第一審となる
- 内乱罪など、高等裁判所が第一審となる例外的なケースもある
- 未成年(20歳未満)が罪を犯した場合、原則としてすべての事件がまず家庭裁判所に送られる
- この「すべての事件を家裁に送る」という原則を全件送致主義と呼ぶ
- なお2022年の法改正後は、18-19歳を「特定少年」として一部別扱いしている
- 家庭裁判所では、保護観察や少年院送致などの保護処分となるか、事件が重大な場合は検察官送致(逆送)されて成人と同じ刑事裁判のルートに乗るかに分かれる
- 逆送されなければ家裁の審判は非公開となり、今回傍聴したような公開の法廷とはまったく別物になる
- 逆送後の刑事裁判は公開されるが、少年法61条により実名や写真など本人を推知できる報道は禁止されている
- そのため、この事件の未成年の共犯者たちが成人と同じ刑事裁判を受けているのか、家裁の非公開審判に進んでいるのかは、傍聴内容だけからは分からない
- 争点の一つは監禁と窃盗について共同正犯が成立するかどうかで、被告人側は幇助にとどまると主張していた
- もう一つの争点は強盗傷人について共同正犯または幇助が成立するかどうかで、被告人側はどちらにも該当しないと主張していた
- なお強盗傷人の被害は鼻の骨折で、重傷を負わせたわけではない
- 本記事では「強盗傷人」と表記しているが、これは刑法240条が定める「強盗致傷罪」と同じ意味である
- 強盗致傷罪の法定刑は「無期又は6年以上の懲役」で、日本の刑罰の中でもかなり重い部類にあたる
- 執行猶予がつくには言い渡し刑が3年以下である必要があるため(刑法25条)、法定刑の下限である6年のままでは執行猶予の対象にならない
- 情状に酌量すべき事情があれば、裁判所の裁量で法定刑を半分まで減軽できる酌量減軽(刑法66条)が認められ、6年を3年まで下げられる可能性はある
- ただし酌量減軽はあくまで裁量による例外的な判断であり、怪我が軽いというだけで自動的に認められるものではない
- 一方、共同正犯ではなく幇助犯と認定されれば、刑法63条により法定刑が自動的に半分に減軽される
- こちらは裁量ではなく法律上当然の効果であるため、被告人側にとっては酌量減軽に賭けるより、共同正犯ではなく幇助犯や非該当だと認定してもらうほうが確実な減刑ルートになる
- こうした量刑制度の建て付けが、被告人の主張戦略を強く規定しているとも言える
- 強盗傷人で有罪になれば実刑が不可避なため、罪を認めて情状酌量を求める戦略のメリットがほぼ消え、共同正犯や幇助の成立自体を争う否認に振り切るインセンティブが強くなる
- 検察官はLINEのやり取りなどを登場人物ごとに演じ分けながら読み上げており、まるで演劇のような印象を受けた
- もし自分が同じような行為をしてLINEの内容を読み上げられる立場になったら、相当恥ずかしいだろうと思った
- 被害者への尋問では、検察官がかなり細かい点まで質問を繰り返しているのが印象的だった
- 昼過ぎまで裁判が続き、定期的に休憩はあるもののかなり疲れた
- 次は判決の日や、もう少し重めの裁判も見てみたい
- 今回はただ見るだけだったが、自分が裁判員として量刑を考えるとなると、事件が重ければ重いほど悩むだろうと思った
- 事件の背景を聞いていると、自分が被害者になっても全然おかしくないシチュエーションだと感じた
- たまに利用する駅が出会いの場になっていたこともあり、犯罪や事件は案外日常に紛れていると実感した
- 加害者であれ被害者であれ、どういう経緯で事件につながり、それぞれの段階でどんな法的手続きを踏むことになるのかを知っておくことは、法治国家に身を置く上でかなり重要なのではないかと思った